逃亡
チェリーがバカなのは母親のせいだと言いたいが
違う!
男と女、友人、誰でも、自分のキャパの範囲内の人間が
集まったり、惹きつけられたりするものだ
いじめられる人間がいつまでも、そこにいるのは
そう言う人間関係の微妙なレベルの問題だ
あの嫁を選んだ息子も同じレベルだ
とりあえず、この娘の悪さをチクったのに
何も言わなかった息子はバカだ
「お金なんかないよ!
あってもやんないよ!もう老い先短いから
自分の好きに使うんだよ!」
それを聞いてチェリーは
「糞ババァ!パパはお金持ってないし~
ママは絶対くれないし」
「あっちの、じいちゃん、ばあちゃんは?」
「カナダで暮らしてる!
もう、帰って来ないんだって、死ぬまで」
「ふ~ん、お金は何のためにいるんだい?」
今までバカ丸出しで喋っていたチェリー黙り込んだ
暇な奴ら
逃亡
チェリーは喋ったことは、そのまま垂れ流し
会話にならないような、所がイライラする
「なんか食べたい!
そんで、お金もらえないかな~」
相手をするのは辞めて
さっさと、おにぎりとみそ汁を出してやる
「うわ~小学校以来だ~お味噌汁!おにぎりははコンビニのほうがうまいけどね~」
味噌汁が小学校以来、おにぎりはコンビニが基準
まぁ、最近のコンビニのおにぎりが美味しいのは知ってるが
このおにぎりは、田舎から持ってきた、丹念に作ったコメを
有名な窯で焼いた、土鍋で側から離れないで炊いた
極上のご飯!
コメの炊ける音を聞き分けながら出来上がったご飯なのだ
塩も特別なら、のりも有明の極上もの
チェリーに出すのはもったいない代物だ
しかし、チェリーは味よりも
「こんな家具揃えられるんなら、
おばあちゃん、お金持ってるんでしょう?」
n
暇な奴ら
逃走
しばらくそのアパートで大人しく暮らしていると
突然、チェリーが来た
「おばあちゃん、この部屋かわいい~
なんか食べるものある?
お腹すいたんだ~」
「何しに来たんだい?
お父さんに怒られた文句でもいいに来たのかい?
お腹すいたって、朝ご飯は食べてないの?
学校は?」
その辺りをうろうろしながら、家具を撫でまわし
「これ、すごい、かわいい~
うちもこういう家具にしてもらおうっと!
パパには何にも言われていないよ!
パパはいつだって何にも言わないの
学校は行かないよ、つまんないんだもの」
「この家具はマホガニーって言ってね、
汚い手で触るんじゃないよ
最近の子はすぐに『かわいい、かわいい』って
ボキャブラリーが少なすぎるね
あんたんちの母親が揃えた安っぽい家具と
一緒にしないでおくれ」
暇な奴ら
逃走
もちろん、すぐに息子に
4時間待たされたこと、その理由が彼氏
今も泊まっていたことにしろ!と言ったことも
すべてラインでチクった
孫可愛さに何でも孫の言うことを聞くのがババァじゃない
あんなバカ孫を甘やかすわけにはいかない
今頃は言わないかもしれないが
うちの田舎では『おばあちゃん子は三文安い』
なんて言われている
最近の犯罪を起こすバカ者どもは
だいたい、婆さんのとこにいたってやつが多い
しっかりしろ!日本中の婆さん!と言いたい!