暇な奴ら

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星人の時は義母の見栄が
教育にすり替わっていた

そして、今、新開のところの男の子は
健全な放任でゲーム三昧とは言えない気がする
新開の夫はよく知っているが
とにかく自分の会社の仕事以外、何も興味ないのだ
妻が何をしようと、妻が楽しければいいし
妻の連れ子が学校に行こうが行くまいが
ゲーム三昧であろうがあるまいが
お金はたっぷり出してやるから、心配するな!
それだけのスタンスだ

みぃは社員の実生活にずかずか入っていくタイプだ
プライバシーなんか糞くらえ
みぃにはそうしても、誰もが笑って許すキャラクターがあり
借金をしている社員には、無利子で金を貸し
不倫をしている社員は見て見ぬふりをしながらも
大ごとにならないように、口を挟む

仕事と家事で忙しさに鬱になりそうな社員には
無償でお手伝いさんを派遣したり
親の介護で大変な社員には金銭的にも相談に乗る

もちろん、それはAV関連で儲かっているから
できるだけ、社員に還元したいと思っているのだ
速水に相談されて、子供の教育にも口は出そうと思う

逃走

「4時間も待ったんだよ!

パパからラインのID、聞いてたんだろう?

何の用事があったのか知らないけれど

一言、遅れます!ぐらいはできただろう?」

 

「ごめ~ん、そう言えば、忘れてた!

彼氏がさ~話してくれないから~

それに、おばあちゃん、ラインとかできるの?

どうせできないでしょう?」

 

バカな孫と付き合うのはごめんだ

 

「預かってるカギを出しな!

それから、スマホも!」

 

ちゃっちゃっとライン交換して鍵をもらうと

そこで、別れようとした

すると、チェリーは悪びれもせずに

 

「おばあちゃん、今日はおばあちゃんのところに

泊まったことにしといて!お願いね~」

 

そう言って走り去っていく

本当にバカ娘だ!

逃走

久しぶり、小学生のころ

一度田舎に遊びに来たきり会っていなかった

あの頃から、バカだと思っていたが

やはりバカだ

 

「お父さんから、私のラインのアドレス聞いてたでしょう

何で、時間に遅れた時に連絡しないの?」

 

すると、今気が付いたとばかりに

 

「あ、そうだった!

ごめんごめん、彼氏が離してくれないからさ~」

 

遅れたことを謝るのに

自分の祖母に彼氏の話をするなんて

最近の若い者は、『恥ずかしい』

ということを知らないのかね~

 

「もう、ひとりで行けるからいいよ

鍵をおくれ!あんたはさっさと帰りな!」

暇な奴ら

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速水は子供の教育には興味がなかった
星人のことでタケオの母があんまりうるさかったから
子供は放っておくのが一番だとも思っていた
しかし、速水は母を想った

母は小さな子供が好きだった
そして、教育が受けられない子供に同情していた
叔父の康太がそうだった
そして、自分もそうだった
速水は自分のことを考えると
愛も教育も幸せな毎日も与えてもらった

新開の男の子は大丈夫なのだろうか?
星人の時のように、お金があっても不愉快な人間や
子供に愛も興味もない人間が
その子供の教育に携わっていたら
それは、その子供にとっていいことだとは言えない

逃走

逃げるように東京に出てきたけれど

全く西も東も分からない

だからと言って息子の家にお世話になるのは絶対に嫌だ

とりあえず、東京の隅でアパートを探したい

そう、息子に連絡を取ったら、探しておくから

そう言って住所を書いたラインが送られてきた

息子もうちに来いとは一言も言わなかった

期待はしていなかったが寂しいものだ

その住所のアパートに行くのにわかりにくいだろうと

チェリーに案内させると言ってきたのだ

東京駅で4時間待ったころ、やっとやって来て

あたりはすっかり夜

東京駅からはその住所まで結構あることから

ホテルに泊まろうと言ってるのだ

 

「だって、お年寄りって早く寝なきゃなんでしょう?

あっちにつくの10時ころになっちゃうよ」

 

「ばかばかしい!

誰がそんなこと言ったんだい?

私はいつも寝るのは夜中の一時だよ」

 

その住所までぐらいならサッサと行けると思っていたのに

わざわざ、息子が孫に案内させると言うから遠慮してたのだ

おかげで、おなかの中はコーヒーでタプタプしている

 

暇な奴ら

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新開は水を得た魚のように生き生きと仕事をこなし
昔のファンが戻って来て
有料サイトは飛ぶようにお金になった

しかし、速水には心配なことがあった

「ねぇ、息子さんはどうしてるの?」

塾の勉強はおろか学校の勉強についていけない
いや、小学校にもまともに行こうとしない
あの、グループ内にいたころ、最大の悩みだった
息子のこと
全く考えなくなった

「住み込みのお手伝いさんを雇ったから
食事は大丈夫!
ゲームをして気が向いたら学校に行ってるんじゃないかな?」

「大丈夫?」

「だって、ゲーム三昧なのは旦那がそうだったらしくって
今の旦那を見ていると、それでもいいんじゃないかと思うし
何を言っても言うこと聞かないんだもの」

「え?でも、新開社長ってアメリカのマサチューセッツとかじゃなかった」

「ああ、なんか、そんなわけわかんないとこ!
今の息子が通ってる私立の小学校
お金さえ出せば、何とか上にはあげてくれるし
付属だから、大学もついてるのよ
問題なし!」

逃走

智恵理・・・チェリーだそうで、バカバカしい名前だ

上の男の子は息子そっくりで、息子と同じ大学に通っている

息子は無口で大人しいところが取り柄だったが

そこはそっくりだ

生まれてから、一度もまともに会話したことはない

息子と同じようにまじめに勉強して、立派なところに

就職するのだろう

立派なところってやつが、曲者だがしかたがない

 

私は高校を出てすぐに農協に勤めている夫と結婚した

この人がまた、真面目なだけが取り柄の人

 

・・・・だと思ったのだが、この間、近所の若い嫁さんと

駆け落ちしたのだ

周りの目が命の田舎暮らし、私は財産をまとめて

東京に出てきたのだ