発達障害の母
小学校の頃が鮮やかに蘇った
私は今と同じように彼女をバカにしていた
頭が悪かったから
本が全く読めない
彼女に教師が国語の教科書を読ませても
つっかえて読めないから
すぐに朗読のうまかった私が代わりに
読まされたものだった
もちろん、バカにしているなんて
おくびにも出さなかったはずだ
彼女は私の様子を上から下までじっと見つめた
遠慮なんか全くない目だった
少し、酔っているのかもしれない
「ご立派なことね
何しに帰って来ているの?
たいそうご立派になったって
あ〜ちゃんのおばちゃんが
触れ回ってたわ
うるさいほどね」
母のことを言われると
言いたいことも言えなくなる
小学校の頃は
母のことは全く気にしていなかったから
そんなことは考えもしなかった
掟
誰が見たって
真面目な普通の高校生にしか見えない
ミキはさっきの電話は何かの
間違いではないかと思う
だいたい、男の子の方が
悪いに決まっている
速水に関しては親バカになってしまう
sexに関してはプロ中のプロだし
そういう女がいることは
一番、ミキが知っているはずなのに
着替えに部屋に行こうとする速水を
止めたのは夫の方だった
沢村は娘のこういうことを
何故、そんなふうに受け入れられるんだろう
ミキは不思議なものを見るように
夫を見た
速水は嬉しそうにソファに座った
父親がこういうふうに速水を呼び止める時には
速水にとっておきのプレゼントがある時だからだ
それほど、沢村は平然と普通だった
真面目な普通の高校生にしか見えない
ミキはさっきの電話は何かの
間違いではないかと思う
だいたい、男の子の方が
悪いに決まっている
速水に関しては親バカになってしまう
sexに関してはプロ中のプロだし
そういう女がいることは
一番、ミキが知っているはずなのに
着替えに部屋に行こうとする速水を
止めたのは夫の方だった
沢村は娘のこういうことを
何故、そんなふうに受け入れられるんだろう
ミキは不思議なものを見るように
夫を見た
速水は嬉しそうにソファに座った
父親がこういうふうに速水を呼び止める時には
速水にとっておきのプレゼントがある時だからだ
それほど、沢村は平然と普通だった