発達障害の母

小学校の頃が鮮やかに蘇った
私は今と同じように彼女をバカにしていた
頭が悪かったから
本が全く読めない
彼女に教師が国語の教科書を読ませても
つっかえて読めないから
すぐに朗読のうまかった私が代わりに
読まされたものだった

もちろん、バカにしているなんて
おくびにも出さなかったはずだ
彼女は私の様子を上から下までじっと見つめた
遠慮なんか全くない目だった
少し、酔っているのかもしれない

「ご立派なことね
何しに帰って来ているの?
たいそうご立派になったって
あ〜ちゃんのおばちゃんが
触れ回ってたわ
うるさいほどね」

母のことを言われると
言いたいことも言えなくなる
小学校の頃は
母のことは全く気にしていなかったから
そんなことは考えもしなかった