逃亡

「巴にはお金に不自由しない、いい生活をさせたい

そう考えて小夜子さん所に嫁がせたのに・・・」

 

「仕方ないさ!

シカオも自分の性癖には困っていたからね

誰が悪いわけじゃないんだよ

あんたがそんなに心配で、巴さんを絶対責めないんなら

うちの旦那を探してみようか?

もしかしたら一緒にいないかもしれないけれど」

 

シズカは嬉しそうに顔をあげた

そう決めて明日から探してみようとなった

 

その夜、ショウがこっそり

 

「あんなおばちゃん、その、巴さんには迷惑じゃないかな

俺だって、今、親族が現れたら

勘弁してほしいって思うよ

俺の親や兄弟は、今の俺を見たら

すぐに俺のところに来て

ばあちゃんを食い尽くすような奴らだと思うよ

巴さん、あの母親からも逃げたかったんじゃないかな」