その先

健二には5歳上に兄がいた

健二が小学校に上がる前だったから

健一は10歳くらい

小学校三年の時だった


その頃から父親は酒に溺れ

家族に暴力を振るっていた

父親が暴れる時に一升瓶を母親に投げつけた

そして、その瓶が兄の健一に当たって

死んだのだった


これは村の警官もやって来て

色々と調べたのだが

酒を飲んでいたこと

もちろん、深く反省していたこと

そんなことで、事件にもならなかった

悲しいだけの事件だったのだが


健二は違うと知っていた

子供ながらにその時は何も言わなかった