姉のこと

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娘の名前は章子
今時、そんな名前で子供が小学校にでも入ったときに
いじめられないだろうか
康太が心配げに小百合に言うと
小百合はにっこり笑って、

「これは、お爺様の希望なの
もちろん、命令とか絶対とかじゃないけれど
そうしたほうが、お爺様はお喜びになるし
私の名前は曽祖父がつけたんだけど
二十歳になったときに株を分けてもらったの

章子って名前で、いじめられるような小学校に入れないわ
そんな風にも育てないしね
章子は私が出た小学部に入るのよ」

康太はまたまた。驚かされた
今、生まれたばかりだけど
彼女は二十歳になったときにはある程度の財産を持つことを
予定されているのか・・・・章子という名前になることで

それに、小学校はもう決まっているのだ
小百合が出た大学の小学校に入るのだ

なんと、自分と違う事か
自分は生まれて気が付くと
いつだって、近所の子供のお下がりを着て
幼稚園はおろか、保育園にも行かなかった
ずっと、爺さんの横にいるか
その辺に落ちている雑誌や新聞を読んでいた
小学校は区から来たはがきで
爺さんが小学校に行かせなければならないことに
気が付いてくれたのだ