その先

その頃の私は、

たくさん本を読んでいた影響で

想像力たくましく

毎朝、恋愛やらなんやらに

うつつを抜かしている周りの

高校生よりも

私の好きな小説と

同じものを読んでいる彼の方に

勝手に味方した

きっと、冤罪!

それとも、何か深いわけがあるのよ


そう思うと5時45分の電車に乗った

彼は座席に座っていた

この時間は帰宅部の子にとっては遅いし

部活の子にとっては早い

対面式の田舎の電車の椅子だ

私は前に座ると


「それで?なんで向上心がいるの?

それって、人間関係を壊すことじゃない?」


すぐに、そう言った

すると、彼は


「人間関係なんか、なんで必要なんだ?

それは、お前ら幸せな人間の

考え方だ!」


私の頭の中は、その頃の読んだ

少年ジャンプの主人公が浮かんだ