悪魔が来りて・・・

私は大学を出ると、早苗さんのところに帰って

県の図書館に勤め始めた

そして、そこで私を目当てに通ってきたのが

孝樹だった

彼は私に恋をして、私も彼を好きになった

何事も無頓着で世間知らずな私だが

さすがに祖母の話は心の奥底で気にしてはいた

そして、もし祖母のように考える人ならば

恋愛をするに値しない人かもしれないと思った

 

「実はね、私・・・」

 

彼はすぐに私の話を遮るように

 

「知ってるよ

君の一族は県下では有名だし

少し、君のお爺さんを調べれば

出てくる話だからね」