逃亡

「よく別れられたね」

 

ショウは首を振った

 

「俺が勝手に考えてることで

ちょっと、女の人をあんなに好きになったのは初めてだから

いい気になってるのかもしれないけれど

先生は俺のこと、本気だったって思う

駅まで迎えに行った時、あんなにうれしそうな顔して

絶対、嘘じゃなかった

夜中に俺の横でずっと泣いてたこと

それは、本気で俺のことを愛してくれていたから・・・

そう、信じたいんだけど・・・

あいつが迎えに来た時

きっと、そんなに幸せになれないだろうに

あ、俺が勝手に思ってるだけなんだけど

もちろん、地位とか名誉とかお金とかいっぱい持ってそうだけど

えっと~先生にしゃべり方をしっかりすると

もっと、賢く見えるって教えてもらったのに

なんかうまく喋れないな

とにかく先生は俺に迷惑かけないように

別れたんだと思う

歳もかなり違うし、自分は俺の力にはなれないって

思ったのが真相な気がする

いや、そうであってほしい」

 

「ショウ、あんた、何歳だったっけ?」

 

「17」

 

「そんなに若かったんだっけ?

それなら、まだまだ、可能生だらけだからね

先生が身を引くだろうし

あんたたちが付き合ってたことがわかったら

先生は犯罪者だからね

どんなに好きでも、一緒にはいられなかっただろうさ」