魔女

瑞樹ちゃんは知り合いに電話すると

その会社の社長に電話を繋げた

くうちゃんの名前を出すと、会ってくれると言った

タクシーに乗ってその会社に行きながら

 

「いったいどうしたの?」

 

私は不思議に思って聞いてみた

 

「私、銀座のクラブやあの手の社長が行くお店に

知り合いがいるんです

どこの店か聞いて、そこのお気に入りの子の名前を聞き出したの

後は簡単、とりあえず、社長が電話口に出てくれたから

本当の話をしたの

最初はすぐに断ろうとしたけれど

くうちゃんの名前を出したら、会いたいって」

 

大したものだ

私はそんなこと考えもつかなかった

あの、ただただ、黙って私やくうちゃんを見ていた彼女

こんな人に成長するなんて、人間はわからないものだ

わからないと言えば、くうちゃんもこれから

いったいどうなっているのか、楽しみのような

心配のような・・・・・