魔女
「あの、魔女みたいな人は
人身売買専門のやくざの女
私は借金のかたに親に売られたらしいの
その親の子とは全く覚えていないわ
3歳くらいのことだったから
気が付いたら、あの女に瑞樹という名前を付けられて
育てられていたのよ
育てられたって言っても、飼われていたって感じだったけどね
あそこにいた若い男は
あの女が惚れていたホスト崩れ
爺さんはボケてあの女に貯金通帳を握られていた
どこの誰ともわからない徘徊爺さん」
「焼死したのは偶然だったの?」
「まさか、あいつらは犯罪者!
でもね、あそこから抜けられたのはくうちゃんたちに出会ったからなのよ」
私はあのころの瑞樹ちゃんは小学校に上がる前くらい
5歳か6歳ぐらいだったはずだ
そんな小さい子が何とかできたのだろうか?
ものすごく、大人しかったことしか覚えていない」