おばさんであること

人の悪口を言ってはいけない

そう教えたのは美也だった

しかし、美也は自分の友人関係を考えるに

人の悪口を言わない人は

信用できないし、頭が悪いような気がして

あまり付き合わないようにしている

人の悪口というよりは、真実だ

人は小学校時代くらいに道徳の時間に

『人の悪口は言わない』そう習うのだが

そのうち、言っていい人と悪い人

そして、身を守るために言ったほうがいい場合

そんなことを学ぶのだ

大輔はその後、そんなことをいちいち美也が話さなければ

わからなかったのだろうか?

 

「ねぇ、悪口と真実は違うわ!

本当はどう思っているのか聞かせて」

 

大輔は口をつぐんで、苦しそうな顔をしていた

 

「僕は悪口を言うような人間にはなりたくないんだ」