おばさんであること

受験をしないことにした妹のほうは

学校の勉強を言われなくてもちゃんとやっていた

中学受験の勉強の内容を考えたら

最低でも学校の勉強くらいは真面目にやっておかないと

世の中的にバカになる!そんなことを言っている

それはある意味正しい

中学受験を自分の意思で辞めたことで

たどり着いた彼女なりの真実だ

美也はすっかり彼女を見直した

受験勉強がなければ、一緒に料理をしたり

服を買いに行ったり、女の子だか美也としては

楽しくて仕方がない

大輔は言われたとおりに学校に行き

大学受験のために勉強し

そして、ただ、気が抜けたように毎日を過ごしている

美也は少し冒険ではあるが

スミカがどうして大輔に近づき、そして、二度とこないのか

本当のことをしゃべってみようと思った

今の大輔にはきれいごとを真実だと思い込むよりも

真実を見つめて、人間の真実を知ってほしいと思った

下の息子が修学旅行に行き、

娘が北海道の祖母の家に遊びに行って

夫が出張という、まるで話せとばかりのシチュエーションに

迷っていた美也は口を開いた