最近の星人

イメージ 1

星人は家に帰ると速水にその話をした

「なんか、おかしくない?
離婚も再婚も母親のせいなのに
チェリーは母親のために一生懸命なんだ」

速水は自分の小学校六年くらいを思い出した
母ならこんなときにどう言っただろう
速水はあまり深い人間関係には興味がないのだ
でも、それが速水の透明な魅力でもあるのだ

「それはそれでいいんじゃない?
話を聞いてる限りでは
お父さんになる人がいい人なら
うまくいくわよ」

星人はこういう風に投げ出したように言う母親が好きだった
どんなことにも一生懸命にならないそんなところが
緩やかで、のんびりできる感じなのだ

クラスの受験組のせかせかしたような家庭
そして、まるで、家庭ぐるみでアホそうな中学受験なんか
全く関係ない家

星人は巻き込まれてはいけない
僕は僕だ!
この透明な母親と、カッコいい世界を飛び回っている父
この家に生まれて良かったと思った