秋風
人生はミキが正二に自分を預けてくれてから
全く変わった
正二は勉強ってものを全くしたことがなかったみぃに
一から経営のすべてを教えてくれた
正二こそ、生まれた時から風俗小屋で育ったらしい
学校なんか行ったこともなかった
しかし、正二は頭を使わせれば誰よりも賢く
客で来る弁護士の先生や医者にその頭の良さを感心されていた
その正二がみぃに自分の知識を叩きこんでくれた
それは、ミキをひたすら愛していたからだと知っていたが
それでも、みぃの物覚えの良さを褒めてくれた
みぃは世間の人の目から見れば
あの、タケオの母親のような人間達から見れば
まったく、この世の中をまともにわたってはいけない
悲惨な人生の人間だと思われるだろう
ただ、楽しかった毎日
そんな風に考えていたところに
秘書の大木が入って来た
みぃは考えながらも、彼が入ってくるのを待っていたのだ
彼を採用したのはみぃの一存だった