秋風

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大木の採用には幹部たちは反対だった
この会社は学歴では採用しない
幹部の中には中卒すらいる
いや、みぃの出が出なので
学校を重きとはしていない
そのかわり、中卒であっても
早くから、それは小学校高学年くらいから
いや、正二のように生まれて時から仕事の場所で育つ
そんな、世間的に言わせれば家庭に恵まれていない人間を
面接や、その腕、そして知り合いの知り合い
そんなふうに採用されている

その中で素晴らしい学歴と環境を持った大木は
誰もが首をひねった
もちろん、仕事はできるだろう
しかし、ここの人間関係を理解できるのだろうか

大木は幼稚舎から慶応、
父は老舗の和菓子屋の社長
母はその昔貴族だった家柄だ

みぃはその写真を最初に見た時にすぐに決めた

「ごめんだけど
私の秘書に使っちゃダメかしら?」

ここではみぃの一言は絶対だ
もちろん、ワンマンとかそういうことじゃなく
みぃの素晴らしい頭に誰もが惚れているのだ