発達障害の母
それがいつの間にか、そんな老人に手をかける人たちの側になって
ニュースを見るようになった
その一つ一つを見て、
どうせ、この年寄りがろくでもない人間だったのだろう
母の友人が老人ホームにはいっていて
文句ばっかり言っているのをたくさん見た
お金払ってるんだからって目線で
ヘルパーさんの苦労なんか当たり前だと思っている
そう言う人たちのわがままに対して
嫌な気持ちになるのはどんな人間だってあることだろう
歳をとったらとったぶん、人の心くらいは
理解してほしい
そんな人間関係を構築できない人間は弱い分
暴力を受けても仕方がないんではないか
私の心はこんな風に変わって来た
不思議なことを数えれば
発達障害の母
私は最初、母に対してよりも
老人が家庭内で子供に殺されたり
老人ホームでの老人に対するヘルパーさんの暴力
そんな物にものすごく賛同するようになった
ほんの数年前は、そんな気持ちが自分の心にわいてくることなど
全く考えられないことで
老人相手にそんな気持ちになる人間なんて最低だと思っていた
両親に対してだって、どんな仕打ちを受けたとしても
やはり、この世に産んでくれた人間なんだから
感謝の気持ちは持てなくても
殺したり暴力をふるったりするのは、絶対的に
する側が間違っている、そう信じていた
不思議なことを数えれば
発達障害の母
私自身も世の中で言われているように
性的なトラウマに悩まされることもなく
ごく普通の性生活で生きてきた気がする
だから、母に対するたくさんの恨みつらみの中で
そのことを思ったのは父の入院の時だった
死が近い父の入院は好きな買い物が好きにできる
一番楽しい時間なのだ
自分の村での立場を上げるために
幼い娘を差しだすなんて、普通のことだったのかもしれない
そう考えると、おぞましいだけだ
人間が生きていくまっとうなマニュアルを語るのが得意で
いかにも、そんな風に生きているかのように
自分の子供にも他の人にも話すのだが
また、それが腹が立つ
不思議なことを数えれば
発達障害の母
世の中にたくさんの幼児虐待がある
しかし、私の子供のころは
親のすることだ、しつけのために手を挙げることもあるだろう
そんなことは普通のことだった
小学校の友人は体操服を着替えるときに
背中に赤い叩かれた跡があり
「昨日、お父ちゃんが酒飲んでベルト持って暴れた~!」
それで、皆フ~ンと納得したものだ
家に帰って親に
「あそこの家お父ちゃんが暴れて
背中をベルトで叩くんだって~」
そんな話をしても
「ああ、あそこのお父ちゃんは酒癖が悪いからね~」
で終わりの話だった
だから、私も母のことはそのくらいの軽い気持ちで
処理すればいいのだろう