その先

私と澄子ちゃんはそのあと

中学生になるくらいまで文通をしていた

その頃、少女たちは

文通をしたくて仕方なかった

レターセットを買うのが小学生の

女の子たちの楽しみだった


特に、東京の澄子ちゃんからの手紙は

可愛かったり、美しかったりで

その頃の私の一番の宝物だった


でも、中学になった途端に

パタリと返事が止まってしまった

人の噂だと

中学受験に失敗して

公立に通うことになったことが

あの母親の機嫌を損ねて

もう、勉強以外のことをさせてもらえない

ようになったとかならなかったとか

とにかく手紙は

書けなくなったのかもしれない