その先

二人が気まずそうに黙ると

澄子ちゃんは


「ママってね、パパと喧嘩ばかりしてるの

東京育ちだから

こんな遠くの村に来ることは

嫌だったの

私にも中学受験があるし、勉強も遅れるからって嫌だってパパに言いなさいって

言ってたの

でも、私はパパと離れるのは嫌だったし

田舎も素敵だと思ったの

だから、私が行きたいって決めたから

仕方なくここに来たのよ

だから、いつもイライラしていて

ワガママばっかり言うの

私、やっぱり東京に帰りたいって言おうかなって思うの

もし本当にそうなっても

ここの皆んなのせいじゃないからね」


そう一気に言うと走って行ってしまった

そして、それから一週間後には

澄子ちゃんと母親は東京に帰って行った