ひとつ先

トミーはそれから来なくなった

私としては寂しい気はするが

それよりも私にはやりたいことがあった


私が東京に出てきた本当の理由


私には小学校から中学まで

ずっと、仲のよかった幼馴染みがいた

澄子ちゃん

彼女はうちの村に保険会社の

出張所があった頃、私が小学校に上がる5才の頃、東京から引っ越してきた

保険会社の社員の娘だった


その頃、村では幼稚園に通う子供など

誰一人いなかったが

澄子ちゃんだけは毎朝、お母さんの運転する車で1時間かけて遠い街の幼稚園に通っていた。その母親は教育熱心な人で

いや、その頃の東京では当たり前のことだったのかもしれないが、母親は澄子ちゃんにつきっきりで色々教えていた