発達障害の母
私はあの頃のことは忘れていない
自慢ではないが私は田舎の小学校の中では
群を抜いて絵や作文がうまかった
それで、学校を代表して何かと表彰されたものだった
同級生は皆、その作品を見たり
普段の私の成績を知っているから納得してくれるのに
その子たちの兄や姉は弟や妹可愛さに
「どうせ、母親がああだから
差別どうのこうのに目覚めている人権派を気取ってる教師が
ひいきしてるんだろう
あんな母親の娘にしてはまともだから」
そんなことを聞こえよがしに言われたりした
ちょうど、その頃、そんなことを言っていた人たちだ
そんな人たちは長い間、この村に帰らず
東京で生活していた私と話すのは苦手そうだが
母がどんなに私の東京生活を自慢しても
ちょっと、薄ら笑いを浮かべながら話を聞いている