おばさんであること

そんな日々の中で

満里奈の夫が帰ってくることになった

日本で研究ができる環境が整ったのだ

夫に、店のことは話してあったが

それが順調だと聞いて驚いていた

 

「君にはこんな才能があったんだね

すごいな」

 

そう言って喜んでくれた

一緒に住んでいるスミカの話もした

 

「実は、私のファッションセンスなんてたいしたことないのよ

実は、このスミカの企画やプロデュースがすごくて

おかげさまで、今のとこうまくいってるのよ」

 

スミカが恥ずかしそうに挨拶する

夫は意外な顔で嬉しそうにあいさつし返した

 

「ああ、ありがとう

妻がお世話になったね」

 

「いえ、こちらこそです」

 

二人の様子を見て、満里奈は

やはり、スミカにはどこかマンションの部屋なりを

用意してあげようと思った

夫は学者肌で一緒に暮らすには少し、気難しいところがある

スミカは満里奈と一緒に住んでいても

何かと気を遣うタイプだから

これでは、この家でゆっくりできないだろう