おばさんであること

「それがね、ほら、長いこと施設で暮らしていたから

料理はできるけど、材料はいつだって安いものか

代用品とかで、レシピ通りに買い物できる今が

嬉しくて仕方がないんだって

美味しくないものをいかにおいしく作るかが

いままでの生活だったから

私のあげる食費なんか大した額じゃないのに

多いって大喜びしてくれて、美味しい物を作ってくれるの

私の苦手な肉じゃがとか、完璧!」

 

「え~それじゃ、洋服のマネキンとかもったいないじゃん

あ、今って、ちょっと、カフェのついてるブティックとか

そう言うの良いんじゃない?」

 

「もちろん、それも考えてるし

洋服のセンスも面白いの

ほら、施設って何でもお仕着せじゃない?

古着も多いみたいだったけど

この間、好きに服買っていいから、とりあえず毎日着る服

買っておいでよって言ったら

一万円くらいですごくかわいくしてくるの

ね~美也!ほんとうにありがとう

今は家の掃除とかも言わないでもさっさとやってくれて

本当にありがたいわ」

 

美也は半分喜びながらも、今の自分の子育てを

すべて、批判されているようで落ち込みもした