そして恋人へ
暮らしていたんですけど
何かのきっかけで
学校帰りにホストに誘われて
そこからお金を、佐竹の今の奥さんに
もらって、遊んでたらしいんです
ホスト遊びしてたなんて
だから、私が引き取るって言ったんです
今の奥さん、ずいぶんお金を出して
佐竹はお金持っていませんからね
それで、もう、お金も底をついて
私のところに相談に来たんです
それで、やっぱり私が引き取ろうって
話をしていた時に
その、ホストを刺しちゃったって!」
母親はそこで泣き出してしまった
康太はすぐに警察に飛んで言った
知り合いの刑事に詳しく話を聞く
優未はまだ、病院にいるらしい
「え?彼女も怪我を?」
「ええ、そんなひどくはないらしいんですけど
精神的なショックがひどいらしくて」
「いったい、どうして」
発達障害の母
「え?それ、だめなの?」
私は呆れすぎて笑ってしまった
「だって、私がもしお金を貸すとしても
その女の人と家と両方でやっていって
返す当てはあるの?」
「いや、それはわからなけど
もっと、頑張るから」
「そんなぁ、だったらお金あっても
貸すのは嫌だよ〜」
ケロとネコも笑いながら
「でもさ〜それって、友の中学の頃からの夢だよな、なんか、そんなこと言ってたぞ!」
「あ〜そういえば友の夢は結婚してめかけももって大金持ちになるってクラスのみんなの前で言ってたぞ!」
「そういえば、そんなこと言った記憶があるな
俺、夢は半分叶えたってことか」
もう、この男たちは一体何を言ってるの?
そう思いながらも、やっぱり笑ってしまう
そして恋人へ
発達障害の母
ネコはこの村を愛している
出来たら、公立に進んでほしいと思っているのかもしれない
それに、この村で一生を過ごすのならば
大学はまだしも中学はやっぱり公立が正解だろう
村に残った仲間は、高校からはそれぞれの道に進むが中学のころまでの共通の思い出は大事なものだ
私たちだって中学まで一緒だからこそ
こうして数十年ぶりに会っても話が合う
できるだけみんなから離れていた私ですら・・・だ
友くんは私のほうを見た
「なんか、東京の家ってすごいらしいじゃん
お願いできないかな」
まったく、困ったものだ
「私、専業主婦だよ
お金なんか自由になるわけないじゃん
それよりも、これからずっと、その女の人と
別れないでやっていくの?
お金どうのこうのよりも、そこでしょ!」
そして恋人へ
発達障害の母
「それは難儀だな~
俺は何とかしてやりたいけど
息子にはたかれないからお金はないんだ」
ケロがすぐさまそう言うと
ネコも
「俺んちもないの知ってるだろう?」
「え?お前んち、娘を私立に入れるって評判だぞ
寮に入れるのか、奥さんが付いて行って
近くにアパートを借りるかって
豪勢な話じゃないか」
友くんはネコの家の話をよく知っている
いや、この村なら当然だ
うちだって母が何でも喋るから
村中が私の財布の中身まで知っているかもしれない
しかし、母は見栄を張って嘘もよくつくから
かなり多めに話が通ってる
ネコのところのことは、私もお金の心配はしていた
「ああ、あれは奥さんが実家に頼んで
何とかするんだって話だから
俺とは関係ない!」
ああ、そういうことか