逃亡
ぎゃ~~!
ものすごい声は、
「あ!ショウ!」
私は何も考えずに飛び出した
さっきの男の言葉がよみがえる
私がと玄関のほうに飛び出していくと
ボウっと立っている女
「この糞坊主が!なんだよ!糞女!話が違うじゃねえか!
何処に金持ちのババァがいるんだよ!」
真っ赤な血の付いたナイフを持った男が私を見た
私はそれよりも血に染まって、倒れているショウに目が行った
「ショウ!」
ショウは私に気が付くと
「ばあちゃん!ごめん、逃げろ!」
男が私のほうに来ようとしたときに
警察が3人飛び込んできた
もう、何が何だかわからない
救急車が来て、救急隊員がショウを運ぶ
私と女が乗り込む
男はその場で確保された
救急隊員はもう、手の施しようがないと言うように
ショウを見守っていた
女はショウに縋りついて
「こんなつもりじゃなかった、こんなつもりじゃなかった」
ただただ、そう、呟いていた
ショウはもう、言葉も発しない