魔女
驚いたことに、『可愛い子猫』の店舗は残っていた
この辺りでは、もう、名物店となっていたが
もちろん、そこには昔を知る人間はいないだろう
そう覚悟していたら
ものすごいおばあちゃんを黒服が呼んでくれた
「そんな昔のこと、みんな知っちゃいないよ!
あ、いや、その子のこと知ってる女の子いるよ」
そう言われて待っていたら、出てきたのは
70はとっくに過ぎているようなおばあちゃん
しかし、クルクルの茶褐色のカツラに
真ピンクのリボン、皺だらけの体に
紫のビスチェ!
真っ赤な唇から嬉しそうに
「あんたたち、昔の女の子のこと知りたいんだって?」
そう聞かれて、二人と驚いたが
話してみると、しっかりしていて知的でもあった