おばさんであること

明美は金銭的には裕福だから

夫の下の世話まではしなくていいはずだが

それでもうっとうしい

美也のほうは大輔のことがあってから

家庭のことに一生懸命になるのが嫌になっている

もちろん、一生懸命になることでいい結果がでるのならば

それでいいのだが、美也の一生懸命は

かえって、家庭に取って良くない気がする

これから先、夫の面倒見るのはいやではないし

それが妻の務めだとも思っているが

もしかしたら、そのことが、また、良くない結果になるのではないかと

恐れていたりもするのだ

 

「スミカに対して、ちょっと、自分の娘だったような気持ちもあったから

彼女が夫の世話をしてくれるのならば

本当に嬉しいし、子供でも生まれるって聞けば

よろこんで、お祝いをさせてもらうわ」

 

その言葉が満里奈の本心からなのは

二人ともよくわかった

明美や美也の子供たちを見ていると

確かに子供のいる心労は子供がいる幸福よりも

上回っているとしか思えないからだ