秋風
速水はみぃの微妙な気持ちを読み取って
家に帰るとタケオに聞いてみた
「それで、大木さんはあなたとショウと仕事を
一緒にすることになったってこと?」
「うん。なんたって、秘書をやらせておくには
もったいない男だからね
何かと今までのつながりとか、海外でも顔は利くみたいだから
そこは使ってもらわないとね
みぃさんは寂しいだろうけどさ」
「ん?どういう意味?」
「だって、みぃさんがお気に入りなのは
誰もがわかっていたじゃん
ショウなんか、もしかして好きなんじゃないかって心配してたし
恵さんなんかは、長いこと知ってるから
『お嬢の好みのタイプなんだから、許してやれよ!』
なんて言ってたけどね」
「やっぱり、私だけじゃなかったんだ!
みんな、そう、思っていたんだね
それで、大木さんはどうなのかな?」