小百合の幸せ
「一穂、勉強全然しないの
何やかや言ったって、娘って母親に似るのね
お兄ちゃんは、大学は言っても勉強勉強で
女の影もないんだって」
「ああ、あそこのお父さんもそんな人だったわね」
小百合はそれよりも今の章子の言葉
『娘って母親に似るのね』
に心が行ってしまった
じゃ、章子も私に似てるのかしら?
違う!全然、違うと思うけれど・・・
すると、章子はさらさらと
「だって、パパって随分かっこよかったんでしょう?
今だって、友達に章子のパパ素敵って言われるし
ママはパパが初めての人だったんでしょう?
私の雅紀とは見た目とその辺りが一緒だし」
こともなげに言われて、小百合のほうが真っ赤になった
そして、これは幸せなことだと思う
小百合は自分的には納得していない子育てではあるけれど
娘が似ていると言い
今、娘は幸せなのだから
これはこれで成功なのだろう