理想の父
「お姉ちゃんは優しくて
お兄ちゃんは賢くて、
なんの文句もなかったよ
小学校からはお母さんに連れられて
今の世間で言われるところのネグレクトみたいなことだけど
お母さんの男たちはだいたい、陽気でバカだったから
楽しかったんだよ
勉強は正二さんが嫌ほど教えてくれたからね
小学校に通って、みんな同じが大事なんて価値観
私には全くなかったから良かったのかもね」
康太は頷いた
「親父のこと、もっと、知りたいから
そのじいちゃんの友達のとこ行ってみるよ」
みぃは嬉しそうに
「じゃ、このお菓子持って行ってよ
あのじいちゃん、まだ元気だといいな~
すっごく面白かったんだよ~
あの頃から歯がなくって、ふがふが言ってたけどね」
康太はみぃにものすごい量のお菓子や
総菜を持たされた