恋をする時

イメージ 1

速水は嬉しそうに章子を歓迎して

「ママには連絡してあるの?」

まず一番に聞く
章子の母親、康太の妻は速水が好きではないのを
よく知っているからだ
中卒でそれからの経歴が全くわからない女
小百合からしたら怪しいとしか思えない
自分は良いとしても、中学を出ただけで
たった一人の息子をアメリカに単身ジャズ留学させている
ジャズは嫌いではないが、ほとんど怪しい世界じゃないか?
確かにそう思われても仕方がない
できるだけ近寄らないようにしよう
大好きな康太おじさんの奥さんだ
何かと不穏なことにならないように
そう思ってきたのだが、その子供の章子は
何かと速水の家に来たがるのだ

「大丈夫、ラインしてあるから」

あの、古風で真面目な小百合がラインで納得するのだろうか?
そう思ったが、章子はかわいいから
慌てて章子の好きなたこ焼きの道具を出した
うまい具合にたこ焼きのレシピに必要なものは
ちゃんと冷蔵庫にある