恋をする時

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章子はこの改札を通れば
母が大騒ぎするであろうことはわかっていた
怒られるようなことをしてはいけない
母にラインを入れて、友達の家によって帰る
そう、嘘をつこうか?
そう思ったとたんに弁護士である父の言葉がよぎる

『章子、いつだって事実だけが人を救うんだ
真実を言うことがどんなに怖くても
章子にはまっすぐに生きてほしい」

それでも、迷う
だって、この改札に入ることは
そんな立派なことじゃない
前から電車で気になっていた男の子を追いかけたいだけだ
名前も知らないし、学校もわからない
どうしよう・・・・

迷っているうちに彼を見失った
少しイラっとする
何でも大騒ぎするママのせいだ
その腹いせに、速水おばさんのところに遊びに行こう
ちょうど、この電車で行ける
ママは速水おばさんが好きではなさそうだけど