旅をしてきた

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16の年だった
掘っ立て小屋、怪しい商売
夜になると男たちがやってくる
殿村は掃除が仕事だった
女たちはみんな小汚い大人だった
田舎の真面目なガソリンスタンドの店員だった
ここにいてはだめなんじゃないだろうか
いくら、家で同然で出てきたとはいえ
こんなとこにいたらだめになるのでは?
やくざになるのでは?

そう思ったが、正二さんはいい人で
無茶な仕事をさせるわけでもなく
行きたいなら、高校に行けとも言ってくれた
ここの仕事は昼間は暇だから
そして、みぃがいたのだ
正二さんの秘蔵っ子
みぃは健全で頭がよく、いつも正二さんの
難しい話を聞き、パソコンに取り付いていた
この風俗小屋とは無縁なアカデミックな空気
殿村はその部屋をよく、覗きに行った