暇な奴ら

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しばらく、タケオは黙っていた
そんな時、速水はせかさないし
聞かなくてもいいとさえ思う
人間として恥をかく場面に直面するのが嫌なのだ
だから、サプライズは絶対にしない
万が一タケオが浮気でもしていて
そのホテルでばったり出くわすなんて
考えられない
いつだって、きちんとあらかじめ知らせる

タケオに限ったことではなくて
相手が気まずい思いをする顔が見ていられない自分は損をしても
相手にそんな顔をさせない
それが速水だった
これは、速水が唯一、ミキにそっくりなところだった

「君は覚えてるかな?
僕が君と出会う前に飼われていた女」

速水は首を振る
数ある男娼の中から、タケオを選んでくれたのは
みぃの命令を受けた、スタッフだ