姉のこと

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会うのを重ねるうちに
小百合にしようと、絶対的に決めたのは
そういう環境もあるのだが
それよりも、自分が傷つくことは絶対にしない
その、しっかりしたスタンスだ

仕事でデートの待ち時間に遅れても
その理由は聞かない
とにかく、康太が聞かれて困りそうなことは
先回りして聞いてこないのだ
前の結婚生活に関しても、まったく聞かない

すべてを表面のなだらかな空気にして
中に入らずに、間違いのないことで埋め尽くして
立派に生きていく

その生き方が好きだった
その深い心根は
育ちからだと思うと、余計彼女と結婚しようと思った
彼女は今までの康太のすべてを知っているのかもしれない
でも、幸せな結婚をこれから紡いでいくために
まったく、外に出していないのではないか
そんな風にすら思える