姉のこと

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「お父さん、どんな子供時代を過ごしたんだろうね?
私はほとんど会ったこともないけど
大人しいだけの人だったんでしょう?
あんな母親と結婚して、一生、トラックに乗って
お金をうちに運ぶだけ
そのお金で、お母さん好きな男と遊びまくっていた」

みぃのその言葉に康太は首を振った

「幸せだったんだよ
お母さんを信じていた
どんなに家に帰らない日が続いても
お母さんは自分の大事にしている家に帰ってくるって
そして、お母さんはどんな恋をしても
お父さんのもとに帰って来た
二人の間には男と女の愛ではないかったけれど
すごい信頼関係があった気がする」

みいは笑いながら

「その息子が、まったく愛がないけれど
信頼関係を築く、結婚をしようとしてるってこと?
お父さんにそっくりね」

康太はみぃの言葉にうなずいた

「うん。そのつもりだ。
それで、爺さんと母親の悪い噂を
すべて消してほしい」

「私、お兄ちゃんの彼女の家、調べたんだよ
大野小百合さん
ちゃんとした家の人だね
でも、大丈夫だと思う
あそこの父親は小百合さんを本当にかわいがっていてね
小百合さんが結婚したい相手が、やくざでも許すよ」

康太はみぃが彼女をどうして調べたのか
よくわかっていた
ミキが死んでから、康太の幸せを本気で心配してくれているのは
みぃだけなのだ