秋風

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大木はまさか、秘書で雇われるとは思っていなかった
ここの会社の求人情報はよく知っていた
学歴やそれまでの仕事は一切見ないと言うことだった
そして、世間で一般的にエリートと言われるような人間は
まず、就職できないと言われていた

ここの幹部はほとんどが専門職で
まともな学歴の人間がいないことがステイタスだった
無理だとは思っていたが
大企業の中でまるでマニュアルのような仕事をこなして
毎日精神がすり減っていくそんなことが、無意味なことに思えてしまったから
無茶を承知でここに応募してみたのだ

面接でスーツの人間が一人もいなかったのも驚いたが
いきなり、秘書って言うのにも驚いた

みぃに最初に会ったときに
こんなタイプの人間がどうして、昼間の仕事
会社の社長なんかやっているのか不思議でしょうがなかった