秋風

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みぃは執務の手を止めて窓を見た
少し寒くなってきて
ああ、今季の服を買いに行かなきゃな
みぃはこの間から、好きなセレクトショップのカタログを見て
買うのを楽しみにしていた

でも、今年はいつもの年ほど楽しみではない
姉がいないから
夫の後を追うようにあっという間に逝ってしまった
姉のミキを想うと、ものすごく寂しくなる
でも、姉らしいと思う
夫がいない、この世に何の未練もなかったのだろう

小さなころは姉がいることも知らなかった
姉が帰って来て、ああ、なんかお母さんがいつも家にいるみたいだ
小さなみぃには家族に対する不満も何もなかった

いつも面倒見てくれる面白いお祖父ちゃん
美しくて、若い男にもモテモテのお母さん
たまに帰ってくるお父さんのトラックは大きくて
乗せてもらうのが大好きだった
お兄ちゃんはみぃのことを
他の家の兄のようにいじめたりしなかった