不思議なことを数えれば
タケオと速水が新しい生活をはじめ
ミキは新しく生まれてくる赤ん坊のために
何かと速水の手伝いに行った
そして、タケオとの結婚が決まってから
気にはなっていたけれど
聞けなかった、タケオの仕事のことを聞いてみた
いったい、何をしているんだろう
もちろん、速水の財産を考えれば
働かなくても大丈夫だし
何か事業を始めてもいいだろう
そんなことに口を出す気はなかったが
タケオは必ず、夜に出かけていく
帰ってくるのは夜中のようだ
沢田にも
「ねぇ、タケオさん、何の仕事をしてるのかしら?」
そう聞いてみたのだが
沢田も無頓着で
「何でもいいんじゃない
何もしなくたって困ることはないんだし
結婚して二人でいれば
ちゃんとした父親にもなるだろうし」
そんなことを言っているのだ