不思議なことを数えれば
ミキは幸せそうな速水の顔を見ながら
ハッと気が付いた
自分がくだらないことにこだわって
母を一方的にダメな人間だと決めつけていたんではないだろうか
この世の中の人たちが正しいと決めたレールのようなもの
そんな物に惑わされていたバカだったのは自分のほうで
母のほうが好きに生きた分、賢く自由だったのかもしれない
自分の考え方がもっと、自由だったら
沢田をもっと早く受け入れていただろうし
速水が高校で性依存症とわかったときも
母にすべての罪を擦り付けて
みぃに任せてしまった
でも、そのほうが速水は幸せになったのかもしれないし
人に言わせればAV女優と男娼の結婚だろう
しかし、二人は幸せだし
そう、バカでもない
これでいいのならば、自分が色々考えていたことが
一番バカバカしい