そして恋人へ

康太は優未に結婚していたと言うのが躊躇われ
躊躇っている自分を不思議に思った

「ああ、この間まで結婚していたんだけど
離婚したばっかりだよ」

優未は不思議そうにでも、うれしそうに

「どうして?どうして別れたの?」

さて、どうしたものか
自分はこの女の子の前で立派な正直な大人でありたい
そう思っているのに
それとは逆にこの子に全部話したくない
そんな気持ちになる
それを振り払って

「僕のDVだよ!」

言ってしまってしまった!とも思ったが
彼女はいきなり笑い出した

「私、戸田さんに叩かれてみたい
そんな端正でそんなに真面目そうで
DVなんて少女漫画見たい!」