....の無い

僕は姉のおかげでこうして好きな道に進むことができ
十分な教育を受けることができたんです」

沢村は話を聞きながら康太をますます好きになった
学生は、ここの学生は特に
立派な愛情あふれる親
社会的地位のある親
金銭的に豊かな親
人間的に立派な親
そんなところの子供が多い
沢村がこの大学に入った当時
沢村はそんな幸せな家庭の子供たちに囲まれて
気持ちが落ち着かず、いつも、すねていたものだ

ああ、やはり、この学生は自分と似たところを持っている
だから、こんなに惹かれるのかもしれない
そう思って、柔らかい笑顔で話を聞く

「だから、僕の夢は姉の夢でもあったし
僕はこの大学に入り司法試験に合格し
仕事について金銭的に独立できるようになったら
姉にもっと幸せになってほしいと思っていたし
まぁ、月並みな言い方ですけれど
楽をさせたいとそう思っていたんです」

「・・・・・・いた?」