......の無い
父親に風呂に入ってもらい
家にあった父の服で、くつろげそうなものを出す
こざっぱりと洗って軽くアイロンをかけてある
風呂から上がった父は
それを着ながら、ほんとうに嬉しそうにしている
みぃの好きな甘い卵焼き
康太の好きなアジのフライ
爺さんが食べやすいとろろご飯
父のために慌ててしし唐を天ぷらにした
そして炊き立てのご飯
もちろん、質素な素材で作ったものだし
それを入れてあるお茶碗もミキがいるころから
あったもので、父の茶碗なんて少し欠けている
缶二本のビール
爺さんは美味しそうに食べながら
眠そうで幸せそう
みぃもとうちゃんとうちゃんと嬉しそうに飛び回り
疲れて寝てしまう
康太はさっさと食べ終わると
ミキの寝る部屋に行く
いつもそこでミキが寝るまで勉強している
何も言わないが父のこざっぱりした姿は
康太を勉強に向かわせる気持ちのいい心触りがあった