.......の無い
毎日はあっという間に過ぎていき
年末にはボーナスが出た!と父親が帰ってきた
父親はすぐに気が付いた
玄関の前で掃除をしているミキに
背中から声をかけた
「ミキ!ミキ!なのか?」
振り向くとかなり老けた父が立っていた
日雇いから日雇いで真っ黒に日に焼けているが
昔よりも少し太ったように見える
「今。ここに帰ってきてるのか?」
そう聞く声はとても嬉しそうだった
ミキも久しぶりに会う父は懐かしかったし
会いたかったと思っていた自分がいてびっくりした
「おかえりなさい!
うん、先月くらいからね」
「そうか、いつくらいまでいられるんだ?」
「みぃが高校に入るくらいか、もっと」
驚いたようにミキを見た父は
「あ、ボーナスが出たんだ
ちょっと、中はいれよ
爺さんは?元気か?爺さんだけだと思ったから
ビール二本しか買わなかった」
大人になった娘とは初めて会った
照れくさくてそんなことをいう父が好きだった