......の無い

そのご飯を三人で食べていると
爺さんがぽつりと

「もう帰ってこん」

そう言ってミキを見た
それは寂しくないかとか
子供たちがかわいそうとか
そういうことじゃなく

金銭的に大丈夫か?
そういう意味だった

ミキはうなずくと

「大丈夫!」

そうはっきり言いきった
贅沢さえしなければ
今までの貯金で三人で暮らしていける

みぃが小学校に入ったら
また、パートに出ればいい
そう、考えた

康太はあのバッグがなくなっていたから
二人の会話の意味はすぐにわかった
康太はすこし、うきうきしている
あの母親がいなくなったら
もっと、自分は夢に近づける
そう、思ったからだ