......の無い

もう、いいよね・・・・・

その口ぶりはここには思う、帰ってこないということだ

「みぃはどうしたの?
あの子は連れて行こうかしら?」

何を言っているのだろう
みぃをちゃんと教育できると思っているのだろうか
教育なんて言葉も知らないだろうけれど

「幼稚園に行ってるわ」

「馬鹿じゃないの?
小学校までは幼稚園になんかやらなくても
かまりゃしないのよ
お金ばっかりかかって、なんのためにやってるの?
あんたはもう少し、あたしに似てしっかり者だと
思っていたけど
やっぱ、あのバカな父親に似てるわね」

何もしゃべりたくなかった
何を言っても無駄なのは六歳のころから知っていた

「みぃは置いて行って!
お金は私が何とかするから
じいちゃんには、出ていくって言っといてよ
角の酒屋でたむろしてるだろうから
じいちゃんは母さんが好きなんだから」

すると、少ししんみりして


「わかった・・・・」

そう言って、いつもお金を入れるために
置いてあったバッグをとるとそのまま出て行った

もう、ここにはそれ以外母親のものはなかった