......の無い
その言葉に少し喜びが入っていて
ミキはそれを少し感じ取って
なんとなく嬉しかった
「何?いつ帰ってきたの?
ここにずっといるの?」
そう言われてうなずくと
「仕事は?」
「やってない」
「もったいないじゃん。あ、丁度いい!
今、女の子いないって彼が言ってたわ
彼んとこで働かしてもらえば?」
「ここの爺さんや子供たちの面倒みなきゃ」
「何言ってんの?子供なんてほっときゃ育つよ
爺さんにまかしときゃ、あいつのボケ防止にもなるからな」
ああ、そうだった
少しでも、母親に会えてよかった
そう、思った自分がバカだった
自分はもう、いいが
康太とみぃのことを考えると
この母親であることを呪った
母親にとって大事なことは
お金がいるかどうかってことだった
「あたしゃ、あんたの分は出せないし
あんたがいるんならお金はもう、いいよね!」
嬉しそうにタバコを取り出した