.......の無い

母親と会うのは何年ぶりだろうか?
ミキもすぐには母とはわからなかったが・・・
老けた!
母親は大嫌いだった
派手な趣味の悪いセクシーな服
金髪に近いような茶色の髪
それでも肌は美しく、真っ赤な口紅が
嫌いではあったが、それはそれで美しいと
子供ながらに思ったものだった
今は初老にも見える

今、いくつだろうか?
ミキは16の時の子供だと言っていた
ミキは今、26歳、・・・・42歳か・・・
そう思いながらじっと見つめると
母親のほうもじっと見ながら

「あんた、もしかしてミキかい?」

二人して、その部屋の隅に置かれている鏡台を思わず見た
そして、そこに移されている二人はよく似ていた

紫のベアトップ、黒いラメの入ったカーディガン
ぴったりと足に吸い付いた白いジーンズ
まっすぐに伸ばした腰までの茶色の髪
厚い化粧は皴を引き立てている
真っ赤な唇

白い半袖のポロシャツ、ベージュの緩めのパンツ
真っ黒でショートカットの髪
化粧はしていない

そんな正反対の二人なのに似ている

「爺さんの彼女にしてはまともだと思ったよ
綺麗になったじゃないか?」