.......の無い

突然、玄関の戸が開いた
ミキが帰ってから立て付けは直してあった

「あら、スッと開いてるじゃん
何年も使ってると、ちゃんと開けられる時期も来るのね
みぃ?みぃ?」

そう言って母親が入ってきた
みぃは幼稚園に行っている
爺さんは近所の将棋友達のところに行った
ミキは掃除を終えて、康太の塾の手紙を読んでいた
最高スペシャルクラスに入れる成績だが
あと、月額五万円
このプリントをもらったのは一週間も前だ
康太のことだ、これ以上、ミキにお金を出してもらうのは
と遠慮しているのだろう

「誰もいないの~」

そう言って上がってくると

「あんた誰?」

ミキを見つけて驚くが

「あの、じじぃ、女引っ張り込むなんて
いい根性してるじゃないか」

そんなふうにけんか腰で話しかけてきた